「DEATH STRANDING」感想

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何のブログかわからなくなってきましたが、ここしか書く場所がないので書きます。
先週小島秀夫監督の新作ゲーム「DEATH STRANDING」をクリアしました。
難易度ノーマルで50時間くらいでしたかね。。
やってるうちに言いたくなること、人に話したくなるようなことが多々あるゲームでした。
なのでこのゲームの素晴らしい箇所、あんまり…なとこを書いていきたいなと思います。

    1. 移動そのものの面白さ

      このゲームを簡単に説明すると、「広大なオープンワールドで配達人が荷物を依頼人の元まで届けるゲーム」です。マップはため息が漏れるほど美しくそして広大ですが、比較的他のオープンワールドゲーに比べるとスカスカで、あるのは起伏、岩、川、山、きれいな風景、ちょっとした脅威等。そんなマップを荷物を背負いただただ30分とか1時間かけて歩き続けるゲームです。

      これだけ書くと何が面白いのか?という感じなのですが、特筆すべきところとして「歩く」ということ自体がゲームとなっているということです。重すぎる荷物を持っているとよろめくし、転倒すると荷物をぶちまけてしまい、ミッション評価が下がってしまったりします。LRボタンを駆使し、地形をよく見ながら転ばないように歩いていくことがゲームの肝となります。

         

      序盤の大統領の死体を運び、焼却するというミッションはなんだか「楢山節考」を彷彿とさせ(映画と違ってもう死んでるけど)尖った物語展開とビジュアルに興奮が抑えきれませんでした。抑えきれなかったのですが、やはりしばらく「これなにが面白いんだ?」となっていました。

      ただ、ゲーム自体に慣れてくると自分のキー入力がサムの移動に憑依していくような感覚がだんだん根付いてきて、次第にやみつきになってきました。サムの移動はとてもノロいですが、コントローラーからの丁寧なリアクション(振動)が、一歩一歩踏みしめる感覚を伝えてくれます。ゲームとしてものすごく基本的なことなのですが、「移動」が丁寧に作り込まれてるからこそ、そしてその移動が過酷だからこそ圧倒的な没入感を生み出しています。タールやら血にまみれた主人公サムが依頼を終え、プライベートルームに戻った際は早くシャワーを浴びたい、モンエナごくごくしたいという気持ちになり、俺もう限りなくサムじゃんと思えてしまいます。ここで自分も一息つき、心地の良い達成感を得ることができる。人は誰かになれる、というドラクエ7のキャッチコピーを思い出しました。ゲームにおける「移動」自体を刷新したことが革命的と言えます。

    2. ユーザーの苦労、善意に委ねることでコストを抑えたレベルデザイン

      発売前小島監督が繰り返し仰っていた「棒で叩くのではなく縄で繋がる」というフレーズ。正直言って、TGSでデモプレイを見ていた時、繋がる繋がるって連呼しててしつこくね?と強く懐疑的な気持ちになったのを覚えています。新しい新しいと言っているけれど、正直ダークソウルや風ノ旅ビトの作りにかなり似てね?と感じました当時。ですがプレイ後は杞憂だった、、と思いました。

      移動を終え荷物を納品すると「カイラル通信」が繋がります。これは簡単に言うとインターネット開通みたいなもので、これが繋がると他のユーザーの通ってきた足跡が見えたり、他のユーザーが掛けた橋、梯子、看板と、移動に便利なものが可視化されます。つまり他人が苦労&工夫して通ってきた道をシェアできるようになるということです。これも「移動自体の面白さ」と同じく、広大なオープンワールドにありがちなスカスカ感がユーザーの形跡で埋まる上に、便利になったことで他人に感謝できる(=繋がる)ということです。同様に、自分が苦労して掛けてきた梯子や縄も他のユーザーに有難がられ、「いいね!」が付く。特になにもないけどゆるく嬉しい感覚を得ることができます。結果的にレベルデザインしちゃってるし、されちゃっている。これを最初目にした時はハ〜〜とため息が漏れ、アイディアに感心してしまいました。

      私は一応MGSVのレベルデザイナーでしたので、ここで一度開発的な視点に立って考えてみたいと思います。上記システムにより、オープンワールドに退屈させない工夫(ちまちましたミニクエストとか)みたいなものを配置するコストをある程度削減できるため、他の面白くべきする箇所にかなり注力できたのではないかと予想ができます。また、他ゲームと違い地形の配置自体が遊びになるのは非常に効率的です。

      また、広大なオープンワールドでは地形とプレイヤーアクションの組み合わせでやべーバグも多々起きがちですが、本ゲームの構造に沿うことで、背景を作る際ゲーム的な制約に煩わされずクリエイティブなところに時間を割けたのではないかとも推察できます。某RPGと違い、発売してからバグが全然報告されてないような印象を受けるのもそういうことかなって思いますね。フォトモードを実装してほしいという要望が多いのも頷けます。廃墟とか雪山マップ、戦場マップは興奮したな〜。独立から約3〜4年でここまでのものを作り上げたことにはただただ驚かされます。

      あとついでに書くと、前述したように「人間(あるいは死体)」NPCを運ぶミッションが何個かあるのですが、いや背負わすなよと最初は笑いながら突っ込んでしまいましたが、背負わすことで結果的に余計なバグも回避していて一石二鳥だなと感じました。これをサムに追従…なんかさせた日にはデスストのあのゴリゴリ地形では相当バグるでしょう。最初にも言いましたが、人間を運ぶ絵面的面白さがとても好きです。

    3. あんまり…なところ

      という訳で、荷物にももうちょい見た目の大喜利的な面白さがあってもよかったんじゃないかとも思いました。(ピザとかはありましたが…あとサブミッションはほとんどやらなかったのでもしかしてあるのかも)例えばすっごい暴れるゴリラとか運んでも面白かったのではないかと思います。いや、違うな…。あとUIの文字の小ささは100人中100人言ってると思います。個人的には荷物を決める際○ボタン長押しが必要になりますが、他のゲームの癖がついちゃってるのか、この際ついつい×ボタンを押してしまいキャンセルダイアログが出るのがかなりストレスでした。慣れたけど。


      あんまりなとこその2として、エネミー的な存在として配置されているミュールやBTが序盤は非常に脅威で、特にBTなんておしっこちびりそうなぐらい怖いのですが、後半慣れてくるともうめんどいという感情しか出てきませんでした。これは「移動」が面白すぎるゆえでもありますが…歩くことに専念させてくれ!!運ばせろ!!!となってしまいます。クリフや巨大BTとのボス戦も興奮こそするのですが、ストレスのほうが大きかった印象です。

      あんまりなところその3としては、説明無線がクドすぎるとこですかね。やっと説明終わったと思ったら、またすぐに別キャラの無線がカットインしてくる。新規要素が多いゆえ仕方ないのですが、ちょっとうんざりしました。これまた「移動」が面白すぎるからでもあります。早く運ばせろ!!ってなりましたから。新規IPはこの辺のさじ加減が難しいですね。

      あんまりなところその4としてはエンディングのカットシーンの長さが異次元なこと。いくらなんでも長過ぎませんかね…ネタバレなので詳しくは書きませんが、エッまだ!?の連続だったのが正直なところでした。小島監督作品だからいいんだよと言われたらそれまでです。

      あんまりなところその5は配達終盤に差し掛かるとLOW ROARやSILENT POETSの美しい曲が流れ始め、思わずジーンとしてしまうのですが、本当に細かくて申し訳ないのですがクレジット表示要らなくね?と思いました。むしろ現実に引き戻されるような気がするのと、若干作り手のエゴを感じてしまいます。これはもうただの個人の好みなので流してください。

      でも美しい背景と共にLOW ROARの曲が流れるオープニングは身震いするほどカッコよかったですね。もうこれだけであー買ってよかったってなりましたから…そしてLOW ROARのファンになったのは言うまでもありません。というわけで言いたいところも多々あったのですが、本当に面白かったです。

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